仕事で「コスト意識を持て」とか、「経費を抑えろ」と言われたことはありませんか?こうした指示を受けると、ついつい「お金を使わないことが大事だ」と思ってしまうかもしれません。しかし、それは正しい理解とは言えません。
今回は、コストとは何か、そして単純にお金を使わないことと、コスト削減の違いについて、私が実際に経験したエピソードを交えてお話しします。
コストとは何か?
まず、コストとは何かを明確にしておきましょう。コストは単に「お金」ではなく、「何かを生産するためにかかった費用」を指します。ここでの生産とは、モノを作るだけでなく、サービスや業務を進めることも含みます。
たとえば、社員が働く時間もコストの一部です。そのため、時間の使い方や効率性もコストに含まれます。無駄な時間を削減することも、結果的にコスト削減につながるのです。
高速道路を使うべき理由
ここで、以前私が体験したエピソードを紹介します。ある出張で、複数人とともに車で30kmほど移動することがありました。そのとき、一般道と並行して高速道路が通っていたのですが、経費節約のためにどちらを使うかが問題になりました。
「高速道路を使うか?それとも、経費を節約して一般道を使うか?」
多くの人が「高速道路はお金がかかるから節約しよう」と一般道を選ぶかもしれません。しかし、実際にコストを削減するためには高速道路を使う方が正解でした。
高速道路を使うと、確かに高速料金が発生します。しかし、複数人で移動している場合、その短縮された時間は大きなコスト削減になります。高速料金<短縮した時間にかかる全員の時給という式が成り立てば、結果的に高速道路を使った方がトータルコストは下がるのです。
コスト削減とは無駄を減らすこと
この例からわかるように、コスト削減とはお金を使わないことではなく、無駄を減らすことです。無駄とは、効率の悪い行動や、時間をかけすぎることを指します。
単に経費を抑えることが目的ではありません。むしろ、効率を重視して、時間やリソースを最大限に活用することこそが、真のコスト削減です。たとえば、安いオフィス用品を使って生産性が下がったり、効率が悪くなれば、それは逆にコストがかかっていることになります。
まとめ: コスト意識の重要性
今回紹介したエピソードを通じて、コスト削減の本質について考えるきっかけになれば幸いです。お金を使わないことが必ずしも正しいわけではなく、効率を上げて無駄を減らすことこそが重要です。
高いものを選ぶことが無駄なコストになることもあれば、安いものを選んで時間を浪費することが結果的に高いコストになることもあります。コスト意識を正しく持つことで、結果的に会社全体の効率が上がり、利益を最大化することができるのです。
次回、経費や時間をどう使うか迷った際には、ただ節約するのではなく、本当にコストが削減されるかを考えてみましょう。